2020年6月4日木曜日


「ソラマメもソーシャルディスタンス」
 
活動のお知らせ 

新型コロナウイルスの緊急事態宣言が解除され、多くの学校で分散登校や短縮授業が始まり、幼稚園バスも走り出しました。不安を抱えながらもホッとひと息つかれる親御さんの姿が目に浮かびます。あなたはいかがですか?どんな思いで登校、登園するお子さんを送り出し、帰宅するお子さんを迎えておられるのでしょう。
「生活リズムが戻るか心配」、「勉強について行けるかしら?」、
「お友達関係は?」、「咳をしたらいじめられてしまうのでは」
「楽しみにしていた学校行事が少なくなって落ち込んでいる」…などなど

一日中赤ちゃんと過ごす親御さんにとって、外出自粛はとりわけきつく感じられることでしょう。息抜きタイムはありますか?あなたはどのような時に楽な気分の自分がいるでしょう。家族や信頼できる友人に電話やメールでつながるだけでもちょっと楽になるかもしれません。きっと相手の方も同じ思いでしょう。

異常事態の今、心が揺れるのは自然な反応なのです。

さて、最近のエピソードをふたつご紹介しますね。
            *ご了承いただき紹介しています。
1】お母さんと一緒に旬のソラマメのさやをむいていたお子さんの言葉です。
  さやの中に離れて並んでいる豆を見て

「あっ、ソラマメもソーシャルディスタンスだね!」

 子どもならではの気づき、驚き。 なんてかわいいのでしょう!
自粛ストレス下のお母さんも思わず笑ってしまったことでしょう。

ここで、子どものコロナ禍ストレス対処として筑波大学教授・精神科医の斎藤環先生が語られていることを紹介したくなります。

「子どもは大人よりも、ずっと環境のストレスを受けやすいため、配慮が必要です。信頼できる大人がそばにいてあげて、一緒に遊んだり、大丈夫と繰り返し伝えましょう。
「外遊び」の機会をできるだけ持つようにしましょう。
対話の大切さは言うまでもありませんが、
一緒に外出する、ゲームするなどの『体験の共有』の機会を増やしましょう。
叱責や注意は必要最小限にしてほしいのですが、そのさいは『総論YES 各論NO』,つまり、問題となった行動を注意して、本人の性格まで否定しないようにしてください。
過保護・過干渉はもちろんですが、放置・放任も子どもの不安を高めますので要注意です。
また、大人同士の口論は、子どもの不安を強めるため気をつけましょう。」
   *ここでの「対話」とは、何かを決めるための話し合いや議論のことではなく
 なんでもないおしゃべりを指します。

*コロナ対応心のケアについて斎藤環先生は、ほかにも発言されています。
 インターネットでご覧ください。

ちょっと理屈っぽくなりますが、
先月のブログで少し触れました哲学者河野哲也氏の『驚き』とつなげて考えてみたいと思います。

「誕生日が来ることを喜ぶ人はいないだろう。しかし予想外に欲しかった
プレゼントを誕生祝にいただけば、驚くし、うれしいものである。
驚きとはその意味で感情の最初の動きである」、
さらには「驚きは思考のはじまりとなる」と述べています。

難しいことはさておき、ソラマメ君?に話を戻します。
ソラマメのさやむきはまさに親子の『体験の共有』であり、対話があります。
距離を取って並ばねばならないとき「近づいちゃダメ!」と叱るのではなく

「ソラマメ並びをしようね」  と声かけたら、
               自分の表現なのですんなり聞いてくれるかも。

自分の驚き・気づきを大事にしてもらったことがきっかけとなって、
これからいっそう好奇心が旺盛になるのではないかしら。
このようないい体験を多く重ねると、心のケアはもちろん、心と脳の働きが活発になって自発性、自己肯定感、思考力などが育つといわれています。

2】分散登校初日、担任が「ちょっとだけマスクを外し、顔を見せてくれた」と、
        小学校1年生は迎えに来たお母さんにすぐ報告したとか。
マスクを外してはいけない、大きな声で話してはいけない、近づいてはいけないと注意ごとが多くなる学校生活は、どれほどの我慢と緊張でしょう。1年生だけではありませんね。一瞬マスクを外して顔を見せてくれた担任に驚き、安心と親しみを感じたことでしょう。ここにも対話と驚き、その後の安心の感情がありますね
1年生の心をぎゅっとつかんだ先生に拍手したくなりました。


ある中学校校長は「学習も大事だが、子どもたちの安全や安心、心のケアもしっかり考えて取り組みたい」と語ります。
分散登校初日、生徒たちが硬い表情で距離を取って登校する様子に不安の大きさを感じた教師もいるとか。下校時は緊張が緩んでいたと聞くとホッとしたり大丈夫?と思ったり…。
文科省は休み明けには心の問題を抱える生徒や不登校、自殺が多いことから心のケアを重視しています。
ふれあい自遊塾も心のケアへの取り組みををお手伝いしたいと思っています。


家族の関係がうまく回り、自身の心身状態がいいときは、
「まあ、何とかなるわ」と思えますが、仕事など家庭環境の変化があると睡眠不足、頭痛なども起きていら立ちも大きくなってしまいます。
先行きが暗く思えて不安・心配はきりなく広がってしまうこともあるでしょう。体調不調も悪化し家族関係がぎくしゃくするという悪循環に陥ってしまいます。

 閉塞感続く日々です。エピソードを書いたことで、私の心は少し元気になりました。心のケアになったようです。話す、書くことで心が軽くなることがありますが、あなたも身の回りのちょっといいエピソードを大事にすくいあげてみませんか。
話してみる、書いてみるといっそう心に残ります。
それは不安とストレスをいっときでも和らげてくれることでしょう。
自分に合った心のケアをあれこれ試してみましょう。
ご自分の心のケアをお大事に。
 
【活動のお知らせ】

52430日 ふれあい自遊塾は、新型コロナ緊急対応「こころの健康相談」を実施しました。これまで自遊塾の活動に参加され連絡先をお知らせいただいた方々にはメール、お手紙でご案内いたしました。届かない方には申し訳ありません。
今後の活動について模索検討しています。よろしくお願いいたします。

616日から公民館利用ができるようになりましたが、人数など制限があります。ふれあい自遊塾活動再開について検討しましたが安全安心を優先し残念ですが、
 6月の活動は中止することにいたしました。
引き続き、状況を見ながら検討いたします。
ご質問などおありでしたら、HPお問い合わせでご連絡くださいませ。

新型コロナに関する心の相談窓口を日経新聞記事から抜粋ご紹介します
前回ブログ紹介も併せ、ご自分の判断でご利用ください。
・こころの健康相談統一ダイヤル  0570064556
・よりそいホットライン      0120279338
・チャイルドライン        0120997777
・こころのほっとチャット     LINETwitter,
                                Facebookのアカウントは@kokorohotchat

・大野裕「心のスキルアップトレーニング」
一部無料で呼吸法などの動画が見られます。